イニシェリン島の精霊

12月になったので大体毎年やってる、今年の好きな映画10本選んで描きます。1本目は『イニシェリン島の精霊』。観終わってからずっと考え続けた時間の長さでは今年の1位。

昨日まで仲が良かったおじさん2人の、少し歳が上の方のおじさんがある日突然絶交宣言をする。
ただし「仲が良かった」ことは映画の中では縁を切られた方のおじさんと数人の村人が言ってるだけで映画を観ている観客には真実だったのかどうか判別ができない。
非常に限られた世界と情報のなかで縁を切った方のおじさんの苛立ちと、切られた方のおじさんの焦りが加速する。
ただそれだけの話なんだけど「大変な事が起きてしまった!」という緊張感が半端ない。
この話をそのまま受け取って何故なのかを考えるのもいいし、寓話と受け取ってこれは何について語っている物語なのか?を考えてもいいと思う。
わたしは後者の方で考えていて、多くの人が既に言っているように戦争が起きる不条理さを描いているんじゃないかと受け取りました。
そしてこんな愚かなことをやらかしてしまうのは人間だけで、それを生きものたちが側で静かに見ている構図も印象的でした。

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