ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

自閉スペクトラム症で且つ天才的な記憶力と頭脳の持ち主であるヨンウは、一流法律事務所「ハンバダ」の新人弁護士として働き始める。
Netflixで配信中のの韓国リーガルドラマシリーズ。

まだ完結していない韓国ドラマの更新を毎週追うのは初めてで「そういえばそうだった!」と気づいたんですが、韓国のテレビ番組って毎週2話あるんですよね。
最初それを聞いた時はてっきり、1話1時間なら30分ずつに分けてるんだと思ってましたがそうではなくて1時間×2話が毎週見られるという、早く続きが観たいという人には嬉しいシステムです。

Netflixで観られる韓国ドラマはとにかく良作揃いと常に聞いていて、マイリストばかりが増えますが『愛の不時着』『梨泰院クラス』などの超話題作ぐらいしか観れてませんでした。
それにしてもこの2作はちょうどパンデミックが始まった2020年に配信されたのに未だにTOP10圏内にランクインされているというのが驚異的です。
『梨泰院クラス』は現在日本リメイクが放送中ですが、結果的にオリジナルの株を上げるだけになってそうで切ねえ……。
とにかく韓国ドラマの質が良いのは人材と予算と製作環境が整ってる事が大きいでしょう。
そして社会と個人の意識的なアップデートを常に迅速に行うので安心して観られる。
そんな環境だからこそ今作のような、ASDの主人公による法廷&ラブコメという難しいけど意欲的なドラマが作れてるんだと思います。

昨今、ハリウッドでも様々なマイノリティーキャラクターを作品に出そうという動きが主流になっているのは言うまでもないですが、そういう動きや作品が大事だなと思うのは「自分が生きてる世界にこういう人たちがいて、生活をしてるんだ」っていう当たり前の事にはっと気づかせてくれるからなんですよね。
印象的だったのは第3話で、同じくASDの依頼人がタクシーで無賃で事務所まで来てしまいヨンウが迎えに行くも、運転手はヨンウではなく後から来た先輩弁護士に運賃を要求する、というシーン。
その後ヨンウが「あの運転手は私に支払能力がないと判断した。けど私は障がい者だから仕方がない」と語る。
このドラマは全体的にはとてもほんわかしたタッチで、視聴者もついついヨンウの事を「ちょっと変わった、天然でかわいい子」みたいに思ってしまいそうになるけど随所随所でこういう、苦い薬が塗られた針を刺してくる。
彼女を認め、気にかけてくれる同僚もいれば彼女が特別扱いを受けていると負の感情を持つ人もいる。
彼女に好意を寄せる訟務チーム員が、いわゆる「普通」とは違う彼女を傷つけたくない、と真剣に考えるのも良いし、別の場面で「障がい者もちゃんと傷つきたい」と反論するヨンウもまた良い。
ただのかわいいファニーガールとして消費する事を許さない、ピリッとした感じがちゃんとあるけどウェットにはなってない。
けどヨンウ役のパク・ウンビンがとにかくめちゃくちゃ魅力的なのでやっぱり「かわいい!」とは思ってしまうんですが。

脇を固めるキャラクターたちもみんな良いので、観た人同士で「誰が好きか?」って話題で盛り上がれる事間違いなしです。
わたしは先輩弁護士のチョン弁護士推し!優しい。
ヨンウと同僚のスヨン、そしてヨンウと親友のグラミという2組の女子コンビも最高。
ヨンウがスヨンに「あなたは春の日差しのよう」って言うシーンとかめちゃくちゃ好き…これが「尊い」って感情かぁ〜〜と思いました。
ヨンウの恋の相手が彼女より立場が上の先輩弁護士…とかではなく弁護士のサポートをする部署の人、っていうバランスもいいですね。
あと法廷ものってやっぱりおもしろい。
気になってる方は是非!

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