エルヴィス
未だ「世界で最も売れたソロアーティスト」としての記録を破られていないスーパースターでありながら、若くして謎の死を遂げたエルヴィス・プレスリーの人生をバズ・ラーマン監督が映画化。
プレスリー役は初主演のオースティン・バトラー、「大佐」と呼ばれた強欲なマネージャーのトム・パーカーをトム・ハンクスが演じる。
プレスリーって「〇〇は生きていた!」ってネタと、あの独特なファッションとスタイルでアイコン化していますがちゃんと人生を振り返ってみるとすごい人物だった!という映画でした。
「熱狂」という言葉どおりに当時の人々は熱くなり狂いまくった訳ですが、単にヒットする曲を出したって話じゃなくて当時はまだ絶対に有り得なかった、ブラックミュージックの要素を持った白人歌手だったんですね。
彼のファンや音楽好きからしたら常識なんだろうけど全然知らなかったもんで目からウロコでした。
で、人種をきっちり分けておきたいって保守層からしたらけしからん!ってなる要注意人物だった訳で、更にあの腰振りダンスで女性たちが発狂か?ってぐらい興奮したもんだからダブルで「こいつをなんとかしなければ!!」って躍起になった層はもう憤死寸前だったんだろうな。
いつの時代にも自由VS保守の戦いがあって、けどやっぱり一度自由を味わってしまうともう元には戻れない…それが人間であり歴史なんですよね。
プレスリーにしろビートルズにしろ、昔の音楽は歳とった人が好むものだからそういうものは模範的でお行儀のいいものなんだと勝手に思い込んでたな、と気づきました。
(音楽に疎いもので…)
主演のオースティン・バトラー(名前がマンガの主人公みたいというかそのままタイトルになりそう!)がほんとにめちゃくちゃ良かったですね!
彼がキャスティングされた事がこの映画一番の成功要因だと思います。
後年の太ったエルヴィスのイメージが濃かったわたしみたいな何も知らない層に、華がありながら繊細な新しいエルヴィス像を与えてくれました。
主演経験がなかったのにも関わらないバズ・ラーマンの先見の明と偉業よ。
だって少し前まで『ワン・ハリ』でブラピとブラピの犬にボッコボコにされてたアイツだよ??
『トップガン マーヴェリック』のオーディションに落ちたそうですが、それでエルヴィス役に集中できたのなら結果よければ全てよしですよ。
しかも最近発表された『Dune: Part Two』のフェイド・ラウサ役には、世界中のうるさい原作ファンも歓喜したんだからすごい!
よく知らないけどこのキャラクターはめちゃくちゃ重要らしいので1作目公開の頃から周りの映画好きもみんな「誰がやるのか?」と話題にしてました。
それにしてもDUNEのキャスティングは豪華が過ぎるな〜。
そしてトム・ハンクスのマンガみたいなヴィラン役も腹が立つ事この上なく最高でした。
なんかもう「カイジ」とか「闇金ウシジマくん」とかに出てきそうな、人の骨の髄までしゃぶり倒す系で本当に嫌でしたね〜〜。
そういえばエルヴィス・プレスリーといえば『フォレスト・ガンプ』にも登場したので、そういうキャスティングの遊びみたいなのもあるのかな?
オースティン・バトラーが読む新聞にシャロン・テイト殺害事件の記事が載っていたのも「おっ」ってなりましたよね。