ソー ラブ&サンダー

MCU『マイティ・ソー』シリーズ第4弾。
戦いに疲れ自分探しの旅に出た雷神ソーだったが神殺しを続けるゴアの出現によって再びバトル再開、さらに元恋人のジェーンが新生ソーとなって現れる。
前作『〜バトルロイヤル』に続きタイカ・ワイティティが監督を担当。

今作ではこの2人のコンビがとてもよかった!
テッサ・トンプソン演じるヴァルキリーの活躍がもっと見たかったです。

久しぶりに1作目を観て、すっかり忘れてましたがそういえばケネス・ブラナー監督だったんですね!
『マイティ・ソー』シリーズは1、2作目がくそまじめでつまらなかったから3作目以降ギャグに方向転換して成功した…というイメージがありましたが今観ると1、2作目もまあまあギャグをがんばってました。
2作目のロンドン地下鉄のシーンとか未だに大好きだし!

とはいえ1、2作目の何が難しかったかと想像できるのは、ナタリー・ポートマンという非常に頭が良く、どうしても優等生イメージが付きまとう俳優のアメコミ世界への落とし込みじゃないか?と思います。
彼女自身、これまでもいくつかの作品でそういうイメージを払拭しようと頑張ってきて結果『ブラック・スワン』でオスカー受賞したけどやっぱりそれで更に演技派!才女!ってなっちゃって(もちろん事実なんだけど)ますます「まじめな優等生」のレッテルが根強くなってしまった…ような気がしてました。
わたしは個人的には今回のソー最新作ほど楽しそうな彼女を見たことがないと思い、なんかもうそれだけで泣いてしまいましたね。
これだけでもワイティティは偉業を達成した!と思います。

で、監督のタイカ・ワイティティについてですが結構好き嫌いが分かれるタイプの監督なんですよね。
確かに俳優としての彼は少々ウザいかも…。
制作総指揮と俳優を務めているドラマシリーズ『海賊になった貴族』はすごく評価が高いですね。
わたしも来月には『House of the Dragon』のためにU-NEXT入会するので観たい!
わたしが一番好きなワイティティ作品はテレビシリーズの方の『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(What We Do in the Shadows)』!
ディズニープラスでシーズン2まで配信中ですが見終わってすぐまた最初から見てしまったぐらいハマりました。
同じくディズニープラスで観られるマーベル・ワンショットの「チーム・ソー」シリーズと同じノリのモキュメンタリー形式で、ハマる人にはめちゃくちゃ笑えると思います!

話を『〜ラブ&サンダー』に戻すと、非常に「これからの時代の作品」という感じが随所にありました。
まずとても優しい。
これは最近の若いお笑い芸人が他人を貶めたり傷つけたりしないで笑いを取っていく、という姿勢に似てると思いました。
「悪者にもいろいろ辛い事情があるんだよ(だからわかって?)」みたいな話はあまり好きではないんですが、今回のゴアというヴィランはクリスチャン・ベールの熱演もあって色々考えさせられる、とてもいいキャラだった。
あとやっぱり今回の映画はオチが素晴らしい!!
人と人はこうやって繋がっていく、そしてそれが家族なんだっていうとても現代的なテーマをふざけないでやっていた。
わたしはこれの次に『ベイビー・ブローカー』を観たんですが、全然違うジャンルの2作なのに言ってる事がとても近いと思いました。
まさかワイティティと是枝監督が脳内でつながるとは…。
表面的にはふざけてるけどまじめな映画でした。
だからナタリー・ポートマンとの相性がよかったのかな?
素敵なナタリー&ジェーンが見れてほんとうによかった!

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