『トップガン』(1986)と『トップガン マーヴェリック』(2022)

アメリカ海軍パイロット養成学校”トップガン”でエースを目指す若者を描いた前作と、主人公マーヴェリックが教官側になる続編が公開されたトム・クルーズ主演作。

『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』同様コロナで公開が遅れに遅れ、もしかしてもう一生観れないんじゃないか…と世界中の映画ファンがあきらめかけていた2022年、ついに!ついに!!公開されました『トップガン マーヴェリック』。
数々の新作が映画館を見限り、さっさと配信に移行する中でずっっっっと映画館での上映を諦めず、粘りに粘ったトム・クルーズの映画愛・映画館愛には本当にひれ伏すしかありません。

1986年の前作はわたしは微妙に世代ではなく、中学生になって地上波で放映されていたのが初見、ていうか多分その時1回観たっきりでした。
当時ははっきり言ってちょっとバカにしていたというか、王道娯楽作とか常に笑顔で爽やかな完全無欠なトムとか、そういうものに「あほくさ」って反抗してしまう一番めんどくさい年頃だったので。
で、なぜかわたしは下のイラストのような勘違いを長年していました。

これは多分、当時よくテレビで放映していた『メジャーリーグ』と記憶が混同してしまったんじゃないか、と思います。
主演のチャーリー・シーンは『ホット・ショット』で『トップガン』パロディーやってたし、顔も似てるっちゃ似てた。

今回『〜マーヴェリック』を観るにあたってアマプラで前作を30年ぶりぐらいに観ました。
まずびっくりしたのがトムの若さですね〜
若いっていうかまだ子供ではないか…
劇中何度も流れる♪ボンボンボンボンボン〜〜〜♪って「愛は吐息のように」の気恥ずかしさや、バーで引っ掛けた女性が翌日職場に教官として赴任してきた!っていう「島耕作かよ…」って展開とかどないやねんって思ってしまいますが戦闘機や空母まで出てくるのが当時としてはめちゃくちゃ金かかってたんだろうな〜と思いました。
教官役のケリー・マクギリスが美しくかっこいい!
軍用の革ジャン羽織ってるのが最高にクール。
真っ赤な口紅もいけてます。
恋愛面では「えっもう惚れたの!?」って速さでめちゃくちゃチョロかったけど。

いやしかし、『〜マーヴェリック』が本当に非の打ち所がない完璧な続編だったので、逆に『トップガン』が『〜マーヴェリック』にとって完璧な前作じゃん…って自分でも何を言ってるのかよく分からねー状態になってます。
前作のファンが喜ぶツボを押しまくりつつも懐古主義に陥らず、訓練生の人種・性別などはもちろん現代的にアップデートされて、けど「古い!」って笑顔で言ってしまうような演出もあり…とにかく全てにおいて古いものと新しいものとのバランス感覚が最高なんですよね。
国同士の争いというものを描くのが難しい昨今においても「敵国」の描写はあれで大正解じゃないかと思います。
とにかく「おもしろい映画」を徹底してる。
こういう作戦なんですよ〜って事が訓練生同様、観客の頭にも叩き込まれてるので本番の緊張感が半端ない。
アクション映画観てて「これ今何やってるんだっけ?(まあ考えなくていいか…)」って途中でふと思う事がわたしは割とあるんですが、今作にはそれが一切なかった。
で、はっきり言って「ミッションクリア!」で大団円で終わっても全然100点満点になる映画なのに、トムが「実はこの後もう一軒店予約してるんだけど」っつって、「えっ二次会も三次会も最高の店でしたけど?まだ行くんすか??」って感じで連れて行かれた店がまじ最高過ぎるんだがーーー!??って感じなん。
最後の方、これもうマーヴェリックがグースの息子と仲直りするための仕込みなんじゃない?って疑うぐらい出来すぎた展開なんだけど最高だからもういい。

観終わった後はちょっと感情が処理できませんでしたね。
わたしは何を見せられたのか?これは映画なのか?
映画である事は間違いないけど、やはりトム・クルーズという人の超弩級のサービス精神をこれでもかというぐらい見せつけられた2時間11分でした。
なんかもう、トムの力で戦争も止まらないかな…?って思いました。

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