ワーキング・ガール

スキルアップの努力は惜しまないが学歴不足のため出世が望めないテス。
女性のボスが旅行先で骨折し2ヶ月休職する事になったのを利用して彼女の役職になりすまし、大手会社との取引を進めるという勝負に出るが…。
好景気に沸く80年代のウォール街を背景に、働く女性を描いたマイク・ニコルズ監督作。

80年代の好景気描写に驚く!

1988年の映画なんですが、今観てびっくりするのはまあ〜景気が良い!
そして女性たちの出勤スタイルがめちゃくちゃ派手!!
朝、フェリーで出勤するシーンから始まるんですが「えっ今から仕事なの?夜遊びじゃなくて??」ってぐらい服、髪、メイク、アクセサリー…すべてがボリューム大。
わたしはこの出勤シーンを公開当時に中学校の先生(女性)から教えてもらったのを覚えてます。
オフィスの自分のデスクに着くまでは彼女たちはストッキングにスニーカーを履いて出勤し、デスクでパンプスに履き替える。
日本ではこれは逆になっている、それはなぜなのか?
いろんな要因があると思うし、職種によっては日本でも逆じゃない現場もあるだろうし、当時先生もはっきりした答えは言わなかったと記憶してるけど「職場でどう戦うのか?」という意識の違いなんだろうか…など考えるとなかなか興味深いです。
いずれにせよ、先生が授業中にこの話をするぐらい当時の働く女性に刺さる描写だったんだと思います。

主題歌は日本でも有名

ちなみにオープニングで流れる「Let the River Run」という曲、日本ではある年齢以上の人なら「ホテルの曲じゃん!」ってなるはず。
高嶋政伸さんの「姉さん、事件です」って語りが有名なドラマ『HOTEL』。
元はこの映画で使用されたカーリー・サイモンの曲でした。

1988年の「セクハラ」描写

そんな要因が有るにせよ無いにせよ、このオープニングはこの映画一番といって良いぐらい印象的。
まさに時代を表わしてる感じで、こういうシーンがある映画は全体的にいまいちでも名作だなって思う。
日本公開は1989年なんですが、調べたらこの年の流行語大賞は「セクシャル・ハラスメント」。
映画の主題にはなってないしラブコメなので軽く描かれてはいますが、やはり主人公がセクハラに遭うシーンもあるのでその点でも当時の空気や、これを観た女性たちの反応が想像できます。
とはいえ、30年以上前の映画なので全然必要性のないヌード(上半身裸で掃除機かける必要とか絶対なくない?)があったり、今観ると映画の作り自体にも問題はあります。
相手役のハリソン・フォードが取る「酒を飲ませた女性が酔いつぶれたので自宅に連れ帰る」って行動がなんかかっこよく描かれてるけど今だと完全にデートレイプだし。
それも踏まえて、立場を偽ってビジネスをしてしまった主人公の
「もし私がただの秘書だと分かっていたら仕事の話を聞いてくれてた?」
「一晩寝てそれで終わりだったんじゃない?」
…っていう訴えはなかなか響きます。

オープニングが良い、と書きましたがラストも良いんですよね〜。
好景気の描写に「なんじゃこりゃ」ってなる部分もありますが、最初と最後が良いってことで改めて観ると昔観たときより良い映画だなと思いました。

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